かまぼこコラム
2024年6月8日
美味しいかまぼこを作るには、石臼が欠かせません。
夕遊庵販売商品を製造する際は、一部の商品を除き、昔ながらの石臼を使用しています。
「近代化の時代に、なぜ石臼?」
それには理由がございます。
石臼を使うことで、魚肉を細かく均等にすり潰すことができ、滑らかな食感を実現します。
これにより、かまぼこの弾力性や口当たりが向上し、独特の歯ごたえを持つ製品が出来上がります。
①石臼は温度上昇を抑える効果があります。金属製のミキサーなどと比べて熱伝導率が低いため、摩擦による熱の発生が少なく、すり身の温度が上がりにくいです。温度が上がると、魚肉のタンパク質が変性し、すり身の粘り気や弾力が損なわれるため、低温での加工はとても重要です。
②石臼を使用することで、魚の持つ自然な風味が保たれます。金属製の機械で加工すると、摩擦熱や機械自体の金属臭がすり身に移ることがありますが、石臼はそのような問題を回避することができます。これにより、かまぼこに使用する魚の持つ新鮮で自然な味わいが保たれます。
③石臼の使用は、伝統的なかまぼこ製造方法の一部であり、日本の食文化の重要な要素となっています。 古くからの製法を守り続けることで、かまぼこの製造技術や味が継承され、伝統を維持することができます。
以上のように、かまぼこ作りに石臼が使われる理由は、すり身の品質向上、温度管理、風味の保持といった
多岐にわたります。石臼は現代においてもかまぼこ製造の重要なツールなのです。